• アフリカ

ウガンダの農村で感じたこの国の幸福と可能性

ウガンダ到着の翌日の8日、
早朝から渡辺
の任地のゴンバ県に車で向かった。
カンパラ市内はすでに渋滞が始まりかけていたが、
そこを抜けると想像以上に立派な幹線道路を
ひたすら西へ向かう。
この幹線道路は、隣国であるルワンダや
コンゴとの国境まで続いている。
農業産業の発展には整備された道路を中心とした物流の
充実が欠かせないが、
この部分でのポテンシャルは高いと認識した。
幹線道路を1時間ほど走り、
そこから、舗装された道路から一転した赤土の道へと入る。
砂埃を舞い上げながら未舗装の道路を1時間ほど走る。
ゴンバ県はウガンダの中でも最貧県で
見渡す限りの小高い丘が連なる農村地帯であった。
誰から見ても農業が基盤の地域だとすぐわかる。

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渡辺はJICAの隊員として、
地元の青年たちの協力を上手にもらいながら、井戸の保守管理、
地元の農業や畜産の技術向上などに汗をかいている。
着任して約1年半、都会っ子が、
すっかり、田舎になじんでいる。
地元の人たちと英語で談笑する姿は
つい最近まで東京で働いていたと思えなくなる。
ウガンダ着任以来、月次のレポートで
彼の活動状況の報告を受けていたので、
活動の内容をある程度、理解はしていたが、
やはり、その現場に来ての実感は違う。
澄みきった空気や快適な気温、
フレンドリーでシャイなウガンダの村民たち、
生の地球の環境を肌で感じ、
そして、ウガンダ人が実際に生活し、
働く姿を目の当たりにして、
とても得難い体験ができていると思った。

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前回のブログ
でも述べたが、
百聞は一見に如かずということは言うまでもなく、
このアフリカの生活がとても自然体で
幸せそうに映るのはどういうことだろうか?
ここには生きることの『原点』があるようにも思えた。
少し、不思議な気持ちが芽生えてきた。

今まで20年近く、アジアでビジネス活動を続ける中で
どちらかというと遅れた国、
その国の中でも発展途上の地方部で多く活動してきた。
ついつい人間は比べたがる。
日本から見たら遅れている
「豊かでない、生活水準も低い」地域で生活する人々は
皆幸せそうだ。

『貧しくとも幸せそう』

アジアでも時々は感じていたが、
アフリカはもっとはっきりとわかる。
生まれ育った環境で幸せそうに充実感に溢れて生活している。
苦労もあるだろうけれども、
他の環境を知らなければそれが当たり前だろう。
この農村で滞在すること数時間で
私は子供の頃を思い出しながら、とてもなつかしく、
かつ新鮮な気持ちで楽しく過ごさせてもらった。
それこそ、渡辺ではないが、私が若ければ、
かなりの確率で現地に赴任したくなっただろう。
何から何まで自然体、心が洗われるようだ。

せっかく来たのだからと、色々と駆け回った。
まずは、井戸水を吸い上げる装置を見学。
渡辺のミッションは水の防衛隊。
近隣の人は、皆、これに頼って生活している。
井戸のメンテナンスはとても重要な活動だ。
井戸がなければ、溜池の水しかなく、とても不衛生だ。
皆、JICAが保全協力をしている井戸の水で生活している。
近くの井戸で水をポリタンクに入れ、
自分の家まで水を汲んで運ぶ日常。
試しに、少し、大きいサイズを持ってみたが、
不慣れではとても運べるものではない。

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農村の移動途中で、学校の生徒たちが、
水を汲みに行く集団に遭遇した。
私のような今の日本人から見たら、大変だろうに、と思うが、
彼らは自然な表情をしている。
一緒の記念撮影にも最初ははにかんでいる。
しかし、すぐに寄ってきて共に写真におさまった。
こんなネクタイ姿の人間と遭遇することはまずないだろう。

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この地域にはまだ電気はない。
だから、夕暮れとともに夜になれば漆黒の闇となる。
人々は夜になれば灯りもない。
だから寝るだけだ。
ちなみに渡辺の宿舎は小高い丘の上にあった。
周囲の様子が一望できる。
着任後はランタンの明かりで生活したという。
しかし、ランタンは燃料費がばかにならない。
今は、太陽光で電気を自給しているとのこと。

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山羊を飼育する村民の家、豚を飼育する農家、
陸稲の栽培の現場など
現地の課題と渡辺の活動の説明を聞きながら、
今の課題に応じたチャレンジがあるものだと不思議と感心した。
トライ&エラーの繰り返し。
この学びは現地の人にとっても
渡辺にとってもとても価値がある。
単純に考えて、短期間で
いかに多くの山羊を増やすかが商売として重要。
そして、短期間でいかに豚の体重を増やすかも大切だ。
これはビジネスの原点でもある。

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農家育ちの私が小学生の低学年ぐらいの生活環境には
こんな似たような話がいくつか転がっていたことを思い出した。
家で飼っている鶏が、
何日かにひとつ生む卵が家族にとって大好物だったり、
卵を産まなくなった鶏を、
親父がさばいて料理して食べたことも記憶に残っている。

ウガンダは何もかもがあまりにも自然のままだ。
先進国は工業化が進み、
農業や畜産にしても絶え間ない試行錯誤の末、
仕組み化され、ノウハウが蓄積され、やり方は洗練されている。
先進国の消費者が生産の現場を知ることはいまや不可能に近い。
日本であれば、いくら仕組み化されても働く人が足りない。
一方、ここのアフリカは、人はたくさんいる。
まだまだ増える。
自然のままの土地もたくさんある。
チャンスもある。
しかし、その“やり方”がまだまだ原始的で非生産的なのである。
渡辺曰く、この土地の住民は自給自足が基本とのこと。
年中、主食のバナナが採れ、周囲には食べ物が溢れ、
飢餓の心配はない。
だから、努力をしない。
生活を変えようともしない。

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しかし、ごく一部に上を目指す若者がいる。
渡辺はモーゼスという地元の青年の代表と仲良くしていて、
彼と一緒に魚の養殖にも取り組んでいる。
水脈を探し、池をつくり、稚魚を購入。
仕入れの10倍ぐらいの値で売れるようである。
まさしく、ビジネスの原点である。

昼食は街でとった。
スーツを着ている私たちが特に珍しそう。
皆、陽気で楽しそう。
ここでも記念撮影。
ビールも特別用意してもらって
ウガンダがますます好きになってきた。

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カンパラには夕方戻った。
現地で活躍されている日本人の方、おふたりに会った。
ひとりは、日本の中古車を仕入れて展示場で販売する社長。
もうひとりは、有名なコンサルティングファームを辞めて、
一念発起、ウガンダで起業した社長。
機会があれば、彼らにはいずれ、
弊社の活動の中にも色々と登場していただこうと思っているが、
ふたりとも共通しているのは、日本の閉塞感の中、
働きながら海外での活動を志向してきた。
過程では、JICAの体験などもあり、
アフリカの魅力に引き込まれた、という感じ。
場所は違えど、私が20年近く前に
アジアで感じた感覚と同じだと話していて思った。

夜は高級レストランで乾杯。
ワニや鹿などの現地の肉を食してみた。
昼間とのコントラストがまた味わい深かった。

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