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会社は社会の入り口のひとつである

春間近となり、本格的な就職活動のシーズンがやってきた。
当社でも、既に平成21年春採用に向けて積極的に活動を開始している。

 

私は毎年、会社説明会の場で学生たちに必ず
“会社は社会の入り口の一つである”
というテーマで話をしている。
数年前から現役の創業社長の一人として、
大学でときどき講義を行っているのだが、そこでもおおむね同じ話をする。

 

私の学生時代は約20年前に遡る。
当時の姿を振り返ってみると、勉強はそっちのけで、
アルバイト、スポーツや遊びにほうけており、
何とかギリギリで卒業できた、という有様だ。
もちろん、そんな私が今の学生に偉そうなことを言えた立場ではない。
しかし、今の日本の現実を、ビジネスや生活を通して実感している私としては、

黙ってはいられない。
会社説明会や講義の機会に、私なりに体験してきたこと、考えていることを

具体的な身近な事例で話をしている。
手前味噌であるが、学生の反応は、おおむね新鮮な反応が返ってくる。

「今までに考えたことがないようなことに気づくことができた」
「視点を変えるといろんなことがわかった」
「アジアがそんな身近な存在であることを知り、驚いた」などなど。

 

こちらも、彼・彼女らの反応に新たな刺激を受ける。

今の若い人たちはそれだけ、本当の『情報』に飢えているのがよく分かる。
実際、就職活動でほとんどの学生は、会社選びに奔走する。
大方のパターンが某大手求人サイトの情報や先輩、友人の口コミ情報を頼りに、自分にマッチする会社はないかと走り回る。
毎年のことだが、少し優秀な学生の部類になると会社からの内定を幾つも獲得して、自慢げにしているものが必ずいる。
一方、内定が多すぎて結局一つに絞れなくて悩んでいたりもする。
年末になっても、何十社と面接を受けても内定すらもらえずに、自信喪失気味の人も多い。
共通しているのは、どの学生も“会社選び”をしているのだ。

 

よく考えてみて欲しい。会社は社会の中に存在するのだ。
就職活動に血眼になっている学生に「社会のことを先に知るべし」と話をすると皆一様にハッとした顔になる。
驚くほどに、社会のことを理解していないのだ。
会社を一生懸命に研究し、自ら会社に足を運んで、
面接官との会話や訪れた会社の雰囲気でその会社を判別しようとする。
もちろん、ホームページで事前調査は今時当たり前だろう。
ところが、以下の質問にどれだけ答えられるだろうか。

 

今の社会がどうなっているか?
今の日本がどうなっているのか?
日本は景気が良いのか悪いのか?
どうして、大企業の合併話が後を絶たないのか?
オリンピックが開催される隣国の中国はどうなっているのか?
日本の食糧問題は? などなど

 

現実の社会で起こっている変化や様々な問題に全く気づかずに会社だけを選ぼうとする。

選ぼうとしている会社は、社会という大海原を漂う小船のひとつに過ぎないのに・・・。

 

私は彼らにこんな例え話をする。
“社会という大きな1つの部屋に幾つかの入り口があり、
皆、入った先の部屋の中がどんな風か考えることも想像することもなく、
自分に合った入り口だけを選ぼうとしているんだよ“と。
会社を知りたければ、まずは、社会を知るのが最も近道といえる。

 

今回、数年ぶりにインターネットでブログ(昔は、ブログとは読んでいなかったが・・・)を書くことにした。
個人的な想いとしては、若者に是非、中小企業で働いて欲しい。
何故ならば、昔も今も、中小企業で働くことが、
社会を肌で直に感じることができ、平和ボケの日本を元気にする力を身につける一番の近道なのだから・・・。

 
 
 

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