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カントーで確信した経済と文化の連動した交流の重要性

地方と地方をつなぐ。
そして、ベトナムと日本の経済と文化の交流を促進する。
そんな狙いをもって開催したカントー市の経済・文化交流イベントは

熱気と興奮に包まれたまま無事終了した。
収穫はとても多かった。

 

ひとつはベトナム人社員の生き生きとした仕事ぶりと動きぶりだった。
特に、とても運営スケジュールがタイトで臨機応変さが要求されるイベントでの弊社の
ベトナム人スタッフの生き生きと動きまわる姿には嬉しさを感じたのと同時に、
彼らが象徴するベトナムの若者の未来の可能性を強く感じた。
地元テレビの生放送も仕事の緊張感を高めた要因のひとつだ。
日越文化・経済交流フェスティバルinカントーは11月11日19:00から開会式がスタート。

 

  

 

オープニングイベントは1時間ほどの時間が設けられ、テレビの生放送もあり、
段取りする人たちの緊張感は頂点に達する。
日本から招聘した女性歌手である川口ともこさんの透き通った歌声がカントーの夜空に響き渡る。

 

そこから両国の伝統芸能の披露。
圧巻だったのがカンボジア・プノンペンから駆けつけていただいた和太鼓チーム「芽魂太鼓」。

 

 

平岩さん率いる「芽魂太鼓」は、4年前のホーチミンにおけるイベントでもお世話になった。
その和太鼓の演奏は日本人の私から見てもその迫力と華麗さには惹きこまれる。
多忙なところ1泊2日の強行軍でカントーにお越しいただいた。
その心意気に感謝である。
生放送ということもあり、すべてのプログラムが時間どおりに進行する。
私たちも投資促進フォーラムに出席した後、その直前の要人たちとのウェルカムディナーから
慌しい中、時間どおりの行動が求められた。
時間にルーズといわれるベトナムでも“やるときはやる”という堅い意思が感じられた。
このことが、1週間後の今日でも強く印象に残っている。
 
弊社はホーチミンを中心に数年前から経済文化交流をテーマとした
さまざまなイベントを企画し、開催してきた。
「ジャパンスタイルフェア」を開催した際は徳島から阿波踊りの連を招聘したこともある。
ベトナム人が喜びそうなネタはつかんでいるつもりだ。
今回のカントー市のイベントは2回目でもあり、昨年以上にさまざまな仕掛けを

用意することができた。

 

 

おかげでイベント自体は大盛況であり、カントー市とも来年の開催を約束して当地を後にした。

このようなイベントは、ベトナムで推進する地方都市の経済活性化を目的に開催している。
しかし、ベトナムの地方都市は日本の経営者からすればほぼ無知の状態である。
これは、他のアジアの国においても似たようなものかもしれない。
日本人は、いわゆる大都市しか意識しない。
タイでいえばバンコクであり、ミャンマーでいえばヤンゴンだ。
しかし、冷静に考えてみるとどの国にも有力な地方都市は存在する。

それは、国土が狭い日本を見てもよくわかる。
博多があり、広島があり、金沢があり、仙台もある。
日本とほぼ同サイズのベトナムにも同じことがいえるのだ。
日本が東南アジアの経済発展のための重要なカウンターパートとして至るところで

期待されていることはこのブログで何度も述べてきた。
しかし、日本人は『NATO(ノー・アクション・トーキング・オンリー)と揶揄されてきたように、
なかなか行動に移さない。
それはホーチミンやハノイのような大都市におけるビジネスチャンスでも同様だ。
本当であれば、もう10年以上も待ちくたびれているベトナムからは、
そろそろ見放されても良い時期なのだが、まだまだ期待をもって迎えられている。

カントーの3日間でのメインイベントのひとつであった、

「第53回アジアビジネスカンファレンス」ではICTやIoTをベースとした農業・環境などの

基幹産業発展と専門人材育成などの分野でお互いが協力し合うことを確認できた。

 

 

今後のスピーディーなビジネス構築の推進が期待されていることもよくわかった。
その責任もヒシヒシと感じる。
このイベントの前日にはメコンデルタへの農業ビジネスの可能性をテーマとした

投資促進フォーラムが開催されていた。

 

 

その場でVCCIカントーのユン所長の発言を改めて振り返ってみると、
日本への期待の高さがうかがえる。
参加した日本人の方々もその期待感が心に残っているだろう。
 
日本人は慎重でなかなか行動に移さない。
しかし、長い時間をかけて信頼関係が構築できれば一番信頼できる相手である。
 
ユン所長とも長年の付き合いでもある。
とすれば、リップサービスではなく、彼の心の奥底から湧き上がった本音であろう。
だからこそ、今からが勝負であり、その期待を裏切りたくない。
 
今までの経験を踏まえ、実際にカントー、メコンデルタにおいて日本企業や

日本が活躍できる環境創りを責任をもって構築し続けようと考えている。
ひとつは人材育成の支援や仕組みづくり。
もうひとつはICTを活用したビジネスインフラの構築だ。
詳しくは、改めて別の機会で述べたい。
何よりも継続的なコミュニケーションが不可欠であり、信頼関係を深めるための

相互交流をどう深めていくかがポイントになる。
だからこそ、お互いがお互いの国を行き来することも重要なのだ。
 
私たちは地方都市の魅力や可能性の情報発信を強化していく予定であり、
その第1弾としてベトナムの地方都市にフォーカスした書籍を発刊する予定である。
来年は、ゲアン省、バリアブンタオ省やクァンナム省などでも、経済・文化交流会を

仕掛けていきたいと考えている。

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