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もったいない文化の復活は海外から


もったいない文化はすっかり日本から
消えてしまったようだ。
日本の国内には、まだ使えるものが山の様に
ゴミ捨て場に捨てられている。
季節変わりに売れ残った洋服はどこへ行くのか?
からくりはある程度は知っていても、
直感的にはなんともったいないことかと感じる。
レストランでは食べ残しが当たり前、
食料品の約30%は捨てられていく。
単に消費者の贅沢な習慣が原因なだけでなく、
ビジネスの仕組みが無駄を生み出すようになっている。
昨年末、食品ロスの問題をNHKの
「クローズアップ現代」で取り上げていた。
知らない間に、日本は、使えるものや食べられるものを
どんどん捨てている。
いつからこんな国になってしまったのか。

少なくとも、私が子供のころ、約40年前の田舎では、
『もったいない』は当たり前だったし、生活の常識ともいえた。
例えば、「ごはんを残す」など自分自身では考えられなかった。
米粒ひとつでも残すと親に怒られた。
「お百姓さんに感謝しながら食べなさい」と躾けられた。
農家なので土間があったが、土間に食べ物が落ちたぐらいなど
落ちたうちに入らない。
それが自然だった。
いまやレストランの綺麗なテーブルの上でさえ、
暗黙の「3秒ルール」なるものに従っているのか、食べない。
現代の親たちがそうさせているのだ。

また、その時代、田舎ではおさがりは当たり前。
次男の私は、新品の洋服を着た記憶はほとんどない。
長男ですら、ご近所や親戚のおさがりばかり。
それが当たり前だと思っていた。
この時代は田舎は特に貧しかった。
都会と田舎のギャップはあるとはいえ、
日本全体にもったいない文化は確実にあったと思う。
子供のころの体験を頼りに、20年前の創業時に
リサイクルビジネス”おさがりの会”を
はじめた事は、以前のブログでも書いた。

「リサイクルは『ビジネス』なのか? 『人類の義務』なのか?」

高度成長期の過程で大切なものを失ってしまい、
麻痺した生活に浸っている日本。
一方で、世界は資源が枯渇するという危機に直面している。
いつまでも、日本や特定の先進国がこんな生活や
ビシネスを続けることができないのは明白だ。
日本より後発の国は今大切なことを日本に教えてくれる。
そして、それがビジネスチャンスでもある。
日本企業の海外進出はラッシュに沸いている。
これからも増加する一方である。
期待感の反面、心配なことも多い。
現代の日本におけるビジネスモデルは
資源の無駄遣いを前提に成立しているものも多い。
すでに書いた『食品ロス』もそうだ。
顧客満足のために流通の過程で卸・小売が
余計にストックを持つ。
あとで、捨てることがわかっていても・・・。
季節ごとの商品や、電気機器などの頻繁な
マイナーチェンジなどもそうだ。

ベトナムでも日本に関心を持つ経営者が増えつつある。
当然、ビジネスチャンスには敏感だ。
かなりの確率でセカンドハンド(中古)ビジネスを
やりたいという声が多い。
最近では、観光用の船、農業機械、医療機器、
子供のおもちゃ、ブランド商品など
多くのニーズを耳にする。
製造工場の機械やレストランの厨房などもそうだろう。
挙げだしたらキリがない。
単にモノを売るだけの話ではない。
日本人がすでに忘れしてまった
「もったいない文化」は、
アジアの消費者の生活からは感じとれる。
こういう顧客を相手にしていれば自然と、
無駄遣いの感覚は減ってくるだろう。
今、日本の文化やコンテンツなどを海外へ
発信することが国を挙げて盛り上がっている。
「もったいない文化」も本来日本から海外に
伝えたいところだが、それは日本からは
残念ながら消えかけている。
これからは、海外の人たちから教えてもらう時代に
なったのではないかとつくづく思う。
20年前のノウハウがどこまで活かせるかは未知数だが、
良いパートナーに恵まれ、
現地の顧客のニーズに耳を傾ける姿勢があれば、
リサイクルビジネスは超有望産業だと思う。
第2創業のつもりで、アジアや世界で
リサイルビジネスに取り組もうと思う。

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