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地球を守る経営で、日本はアジアと世界に貢献する時代へ

アジアビジネスにどっぷりはまっている中で、
毎日の習慣のように考えることがある。
それは「先進国が世界の国々に与える影響やその果たすべき役割とは一体何か?」ということである。
とりわけ、日本人である私は日本のこれからが一番気になる。
私も少なくとも20代半ばまでは、アジアや世界とはほとんど無縁だった。
テレビなどのメディアを通してみる世界しか情報源がなかった。
自然と、自分の生活観や価値観は日本での体験や見聞きするものがベースになる。
日本は、世界でも素晴らしい国で世界のお手本になれると思っていた。
今ではアジアとの関わりはすでに20年を超えた。
最近つくづく思う。
先進国の代表選手である日本という国、この国民は、
アジアや世界でどういう役割を求められているのか?
そして、世界に向けてどういう貢献をしていくべきなのか?

ほんの10年前では、地球に忍び寄る地球の存亡の危機を
日本の経営でも考える人は少なかったと思う。
多くの人が日本という平和な世界が永遠に続くと錯覚していた。
およそ20年前のバブル崩壊で経済的な危機感は生じたが、
今日のような地球全体の危機に直結するような変化ではなかった。
その後不景気が続き、マーケット縮小の中、
新天地を求めて日本の目はアジアへ向き始めた。
そんな矢先に大地震と原発事故の発生。
何度考えても、日本の役割を明確にする時期が来ているとしか思えない。
日本がアジアや世界に向けば向くほど、
地球そのものが今直面している数多くある危機に向き合う事になる。

もうすぐ訪れる急激な世界人口の増大、それに伴う食料の不足、
飲料として飲める水資源の絶対的不足、
後進国、新興国の発展に伴うエネルギーの不足問題とそれに伴う環境破壊。
単純化すれば、国が発展するためには電力は不可欠。
日本もかつてそれを最優先する事で経済成長を達成した。
ところが、これからの多くの国にとって電力の問題は、
地球規模で考えざるをえない深刻な問題に直結するのである。
環境破壊、温暖化問題も深刻だ。
先進国主導の経済発展の結果生み出された負の部分だ。
これからの国が、今までの先進国と同じように発展プロセスを歩んだとしたら、
今の地球はひとつでは持たない。
多くの有識者が既に警鐘を鳴らしている。
すでに地球は限界に来ているのだ。

アジアで、これからが期待されている国で日々活動していると、
色んな事を教えられ、考えさせられる。
例えば、ベトナムの優秀な経営者は、これからは農業が一番大切だと普通のように力説する。
決して、日本のような先進国の真似はしないと。
食料なくして、国は成立しない。身に染みてわかっているのである。

 

日本はビジネスの目線で見れば、明らかにアジア進出や世界進出で出遅れている。
一部の大企業は頑張っているが、それだけとも言える。
日本全体でみれば、お隣の韓国などと比べれば完敗に近い。
いまさら、同じ路線で追いつき追い越せなのか?
ライバル達とは違う部分で、日本の価値、日本の存在感を浸透させる道は
なんだろうか?

私は、日本はどこの国よりも早く、
地球を守る経営、地球を守るビジネスの実践者としてお手本として、
アジアや世界に貢献するのがベストだと思う。
その根拠はいくつかある。
ひとつは、そもそも、今の日本は地球を守ることを前提とした
生活スタイル、経済活動になっていない。
今のままのやり方では、日本人が豊かに暮らし便利に暮らし、
日本の会社が発展すればするほど、地球は弱っていく。
これではダメだ。
日本は世界に先駆けて、地球を守る生活スタイル、
経済活動のあり方に転換するべきだと思う。

 

 

もうひとつは、日本がこの数十年で培ってきた技術、ノウハウは、
地球を守るビジネスの実現に大いに貢献できる可能性がある。
エネルギー、環境、温暖化対策など・・・数えたらきりがないぐらいの
改善ノウハウや技術、対策実績がある。
それは、日本が先進国であるがゆえに、
他の国より早く失敗し、それを克服してきた過程があるからだと思う。

企業規模の視点で見たら、大きい小さいではない。
たとえ小さくてもオールジャパンで地球を守るビジネスにシフトしていくことが、
日本が世界で存在感を発揮できる最高の選択肢だと思う。

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