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大都市に繋がる驚きのビジネスがカンボジアの奥地にあった!

ベトナム人ビジネスパートナーの社長に誘われて、先月中旬にカンボジアの奥地を訪れた。
観光に行ったわけではなく、彼女に、“私のビジネスの現場をぜひ見に来て欲しい”と強く誘われてのこと。
視察目的も特に明確に決めず、互いに多忙の中、急遽設定した一泊二日の強行スケジュール。
ホーチミンのタンソンニャット空港で午後に合流。
いきなりアクシデント発生。
機材の故障とやらで、フライトが3時間近くディレイ。
こんな国は遅れることはよくあるが、今回は本当に機材の故障だったよう。
荷物を別の飛行機に載せ変える様子を見て、飛んでいる時でなくて良かったとホッとした。

プノンペン市内のレストランで遅めの夕食。
彼女のビジネスパートナーのシンガポール人も合流。
アンコールビールを飲みながら、しばし歓談。
彼には“カンボジアで農業ビジネスを始めたい。近藤さん、可能性はどうだ?”と聞かれ、いい加減な英語で、それはビッグチャンスと答えておいた。
あまり落ち着くまもなく、夜の8時半過ぎに、彼女のビジネスの現場に向かうことに。
陸路で海辺の現場まで約4時間半かかるとのこと。
警察の車の護衛付で車2台に分乗して、ひたすら続く暗闇の中をハイスピードで疾走。
途中、睡魔でうとうと。
気づいたら深夜1時過ぎ少し大きめの川辺に到着。

出発前に、泊まりは川の水上ホテルと聞いていた。
だが、あたりを見渡してもそんな気配は全くなし。
暗闇を静かに川が流れているだけ。
ほどなく、私達数人は小船に乗り込み、ホテルとやらに向かうことに。
船頭以外誰も場所を知らない様子。
少々不安を感じながら、暗闇の川を40分ほど下ったところで、突然、明かりが見えてきた。
なんと、そこには水上に浮かぶテントのホテルがあった。
夜中の2時頃の到着だった。
笑顔で快く支配人の女性が迎えてくれた。
時間も時間なので、この日はすぐに就寝。

 

夜が明けて改めてテントホテルの部屋を見てみると、一流ホテルと遜色のない設備、ゴージャス感。
後で確認したところ、イギリスが建設したエコツーリズムの5つ星のホテルとのこと。
まわりは熱帯雨林に囲まれ、野生の鳥が飛び交う秘境の場所。
改めてヨーロッパの人は、エコが好きなんだな、と実感。

 
 

深夜の豪雨の影響で水かさが増した川を、視察の現場を目指して昨晩と同じ小船に乗って出発。
小雨が降る中、少し広めの川の真ん中に停泊している中型の船に乗り換える。
ここは川の上のオフィス。
生活もできるようになっていた。
その船に乗って、さらに川を下っていくと大型のクレーンが砂を採掘している現場が見えてきた。
聞けば、一隻約5000万円ぐらいの砂の採掘用のクレーン船。
彼女はカンボジア政府と地元の王様と交渉し、採掘の権利を獲得した。
この川の一帯で日夜、何隻ものクレーン船が砂を採掘しているのだ。
この砂は、シンガポールに送られ、埋め立てに使われる。
シンガポールは、ご存知のとおり、国土面積は小さい。
少しでも土地を増やすためには、埋め立ては不可欠なこと。

 
 
 

雨もあがって、更に川を下り、海の入り口まで接近。
だんだんと波も大きくなり、そこからは、沖合いに大型タンカーかと思うほど
巨大なバージと呼ばれる砂の運搬船が停泊しているのが見えた。
彼女が、あの船がシンガポールに砂を運んでいるのです、と説明してくれた。

砂ビジネスは、今の日本の経営では全く実感がわかないし、仮に経験したくてもできないビジネスである。
今回の視察でその現場を体験し、アジアビジネスの奥深さを痛感した。
それと同時に、この採掘現場の周辺にも原住民が住んでいて、彼らの生活が豊かになることも願わずにはいられない。

 

砂の採掘は、都市の発展には不可欠だろうが、やり方を間違えば環境破壊にも繋がる。
だからこそ、彼女は、環境を守るビジネスにトライしていくつもりだと力説する。
本当にスケールが大きいビジネスだと、改めて感心した弾丸視察ツアーだった。

ちなみに、この2日間、といっても約24時間の内、飛行機と車と船に18時間近く乗っていたことになる。

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