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スポーツ交流とアジアビジネス

日本だけに限らず、ビジネスでお互いの信頼関係を深めることは、
どの国の人にとっても非常に重要なことだ。
特に、日本がアジアで成功を収めるためには、
現地の経営者たちとの信頼関係の構築は不可欠だろう。

しかし、会議室の中の議論や関わりだけでは
ビジネスで必要な本当の意味での強固な信頼関係を築くのは困難だ。
それは国や民族を問わず、万国共通の論理ではないか。
もともと、外国人との直接的な会話におけるコミニュケーションに関しては、
日本人は苦手意識が強い。
特に私ぐらいの世代以上は英語に対してアレルギーを持っている。
その一方で、アジア各国ではエグゼクティブクラスは大抵英語を話す。
結果、”日本人は、非社交的でなかなか心を開かない”という
ありがたくないレッテルを貼られてしまう。

実は、少々言葉が通じなくても、
人間同士、腹を割って仲良くなり、信頼関係を構築する方法はいくらでもある。
そのひとつは、言うまでもなく“飲むこと”だろう。
ノミニュケーションは、良い意味にも悪い意味にも使われる言葉だが、
一緒に食事をして、お酒を飲んで、馬鹿な話をして、騒いで笑い、酔っ払う。
こういうウェットな人付き合いは、中国でも韓国でもベトナムでも経験上大差ないと感じている。
韓国では、会議室で面会するよりも先に「まずは飲もう」となる。
それで見込みがあるとわかれば、商談も本気で進めてくれる。
昔、商談で韓国に到着するなり、
そんな歓待を受けたことが今でも鮮明に記憶にある。

アジアでは一様にこれと似た傾向がある。
中国でもベトナムでも、とことんまで乾杯し、勝負してくる。
お酒を飲まない人には寛容で容赦はしてくれるが、
私のように体が大きく、いかにも飲みそうなタイプは、
とことんまで勝負を挑まれるので、大変といえば大変。
やはり、ビジネス促進の場として飲み会はいつの時代も主流だろう。

それ以外にもスポーツという手もある。
日本では、昔ほどはビジネスとゴルフの関係性は強くない。
それが新興国が多いアジアだとゴルフは絶好のビジネスツールとなる。
総じて、信頼関係の構築に対するスポーツのウエイトは大きい。
世界共通のゴルフはいうまでもないが、
ベトナムでは、テニスがゴルフ以上に盛んなのだ。
当社はベトナムやカンボジアで長年、ビジネス活動を展開してきた。
その一環として、ベトナムでもすでにゴルフコンペを数十回開催している。

ベトナムもここ2~3年の間に経営者クラスのゴルフ人口が急増してきた。
このような時代背景の中、当社ではスポーツを通したビジネス交流も促進している。

8月中旬に、スポーツ関係のイベントを2つほど連続開催させていただいた。
まず、カンボジアでゴルフコンペを開催。
そして、ベトナムでも日本とベトナムの交流を促進するためのテニス大会を開催した。
この2つのイベントの報告も兼ねて紹介したいと思う。

8月16日にはカンボジアと日本の経営者の親睦ゴルフコンペを開催した。
「カンボジアでゴルフ?」と驚く人もいるだろうが、
実はカンボジアにも立派なゴルフ場はいくつもある。
特に、世界的な観光名所アンコールワットがあるシェムリアップには、
タイやシンガポールあたりの上級ゴルフ場と比べても遜色ないコースがいくつかある。
今回は、韓国資本のオープン間もないゴルフ場で開催した。
レイクコースでなかなかタフなコース。
コンペ参加者の大半が日本人経営者。
初めてカンボジアを訪問した人がほとんどだ。
カンボジアの官僚の知人に手配などを担当してもらい、
カンボジアと日本を結ぶ、初めてのビジネスゴルフコンペだ。
このイベントはカンボジアではニュースバリューが高いようで、
地元の新聞に掲載された。

8月20日には、越日フレンドリーシップテニス大会を開催。
プレーが始まると日本人プレイヤーが想像以上に熱くなり、
かなりの盛り上がりを見せた。
ベトナム、日本共に20名の選手が参加。
ベトナム人、日本人でダブルスのペアを組み、トーナメント形式で優勝カップを争った。
ベトナム人のエグゼクティブクラスはかなりの確率でテニスをする。
従って、参加者もそれなりに上手な人ばかり。
一方、日本人の経営者達は、本格的にテニスしていたのはわずか2名。
後は、学生時代に遊びでテニスをしていた私のような者が何名かいるくらい。
一週間前に、初めてテニスラケットを握った超ビギナーが数名。
こんな間に合わせチームでもベトナム人のすばらしいカバーのおかげで、
結構盛り上がったのである。
結局、日本人の経験者組が入ったチームが勝ちあがり、
決勝戦はかなり本格的な試合に。

大会終了後は、レストランで懇親会を兼ねた打ち上げ。
総領事館の方々も一緒に懇親させていただいた。
よくよく聞けば、ベトナム人の方々は政府関係の重鎮や大物経営者たちばかり。
スポーツに真剣に取り組み、懇親会で屈託なく楽しく酒を飲む姿は、
間違いなく人間同士。
こんなきっかけで始まった付き合いがビジネスにも繋がっていくもの。
サッカー、野球、バトミントン、卓球…まだまだあるはず。
日本で流行っているトライアスロンも良いかもしれない。

今後もこのようなスポーツイベントを継続的に推進させようと考えている。

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