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テレワークのリスクとは?

テレワーク推進が俄かに注目され始ています。
政府が旗振り役となり、徳島に消費者庁の一部業務を
移すニュースが報じられたり、
マスコミでは先進事例を取り上げたりしています。
また、大手企業がテレワーク導入というニュースも
話題になっています。
しかし、日本全体を俯瞰すると、このテレワークは
導入が遅々として進んでいないのが実情です。来る7月7日「テレワーク推進のネックを解消する」というテーマを掲げ、
リスク対策やセキュリティ対策について
「テレワーク導入支援オープンセミナー」で講演する
ことになりました。
http://www.csaj.jp/NEWS/committee/cloudbiz/160707_cloudbiz.html

自宅や、サテライト環境で、会社と同じ環境で仕事をする際、
情報漏えいやウイルス感染を起きないようににすることは
大切なことです。

とはいえ、考えてもらいたいのですが、
会社であっても完璧なセキュリティを保てない以上、
自宅も完璧にすることは土台無理な話でもあります。
セキュリティ対策に自信が持てないためテレワークを
断念する企業もあるかと思います。
しかし、その企業に言いたいことは
「新たなリスクに気づいてください」ということです。
実はテレワークの最大のリスクは
「導入しないリスク」の方ではないでしょうか。

行動を起こしたときの不確定要素としてのリスクは当然ありますが、
現代の企業経営において
「やらないリスク」はとてつもなく大きなものです。
周囲の環境が大きく変化しているときに、
自分たちだけじっとしている状況を考えてみてください。
柔軟な働き方ができないがための人材流出リスク、
働き手不足に地方や海外人材を活用するという選択肢を
もてないリスク、出張費や無駄な移動コストが垂れ流され続ける
リスクなどがやがて顕在化してきます。

日本は「やらないリスク」「とどまるリスク」「変化しないリスク」を
考えていないといわれますが、
テレワークはまさにそのリスクへ対する考え方が問われる
施策のひとつかもしれません。

セキュリティを含め、実行すること自体のリスクは低いので
迅速に実行すべきではないでしょうか。
逆にだめならやめればいいだけです。
すぐに元に戻せます。

例えば、BCPを考えるときでも、
テレワーク環境があれば、結構解決することがあります。
パンデミックなどの社員全員自宅で皆で仕事できれば、
BCPの観点でも最適です。
インフルエンザの流行の際も、事故等による交通インフラの停止状態の際も同様です。
自宅で普段と変わりなく仕事ができてしまうのです。

一方、テレワーク導入のメリットがわからず導入を躊躇する
企業も多いのも事実。
また、現場では業務を変えることへの不安があったりして、
進まないのもIT導入ではよく耳にする話です。
しかし、テレワークを導入することで今まで見えていなかったものが、
見えるようになります。
まず、業務の生産性や効率化、無駄な移動交通費の存在を実感します。
また、毎朝の長時間通勤や子育てや介護などで、
いかに従業員が疲弊しているかに気づけるようになります。
そして経営者としてなによりのメリットは、
従業員自身が「仕事とは何か?」を問い始めることではないでしょうか。

『会社にいくことが仕事ではない』

わかっているようで、実は日本人の多くが
本当に理解できていなかったのかもしれません。

では、会社にいかないとできない仕事とは何か?
付加価値を生み出している仕事とは何か?

そんなことを社員が考え出すきっかけになるだけでも
テレワークは導入してみる価値があります。
やはり、テレワークの最大のリスクは日本人的な発想で
「やらない」ことでしょう。

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