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BRAIN NAVI20号 近藤昇コラム「日本とベトナムの地方連携が動き出す」

第20回 日本とベトナムの地方連携が動き出す

11月11日~13日、ベトナム・メコンデルタ地方の中心都市であるカントー市にて
第2回越日文化・経済交流フェスティバルinカントー」が開催。大盛況でイベントを
終えることができました。
昨年に引き続き、カントー市人民委員会とカントー市商工会議所が中心となり、弊社が
オーガナイザーという形で数ヶ月の準備期間を経てその日を迎えることになりました。

今回のイベントの最大のテーマは日本とベトナムの地方を結びつけ、新たな経済・文化交流の形を
創りだすことでした。海外から日本を見ると、その中心はやはり東京であり、首都圏であり、
その他も大阪などの大都市圏が中心です。ベトナムもその例に漏れず、やはり中心視されるのは
東京であり、大阪です。しかし、日本の地方都市の魅力は私たち日本人ですら知り得ていないのが
実情ではないでしょうか? 食、伝統工芸品、観光名所など、海外の人たちにとって新鮮に映る
はずです。
一方、日本から海外を見るときの視点もやはり大都市中心になりがちです。ベトナムでいえば、
ハノイ、ホーチミンが中心で、いわばその都市の存在しか知り得ていません。経済規模が異なる
という点は当たり前の事実です。しかし、これも当たり前のことですが、日本もベトナムも
大都市圏があり、地方圏があります。日本でも地方には地方の魅力があり、ベトナムにも地方の
魅力が存在します。

弊社は長年、日本とベトナム両国の経済・文化交流活動に力を入れてきました。お互いの国を
理解し合うためには、経済的な交流のみならず、文化、スポーツなどの交流の必要性を感じ続けて
きたからです。

ベトナム・メコンデルタ地方のカントー市とのお付き合いはずいぶん古くなります。もともと、
農業分野で交流を続けてきましたが、昨今では、そのテーマがICTや飲食分野など多岐に
渡っています。カントー市は120万人の人口を擁し、今まさに発展の只中にあることは現地に
赴いたことのある方ならば、実感いただけたはずです。

今回のイベントには日本の地方圏から多数の方々にご参加いただきました。青森県、新潟県、
石川県、沖縄県などを中心に、ステージイベントではご当地キャラが登場し、地元の子供たちを
楽しませていました。その様子を現地で眺めながら確信しました。これからの日越連携の鍵は、
日本の地方とベトナムの地方を繋ぐことです。それが、日越関係にさらなる厚みを与えることに
なり、多様な経済と文化の交流を実現できると考えています。

今年も昨年同様、「ビューティーコンテスト」を開催しました。狙いはここで入賞した方々に
日越の親善大使を担ってもらうことです。優勝者と準優勝者の2名は来春にベトナムの親善大使
として、地方圏へ訪問してもらいます。そして、彼女たちの目には日本の地方圏がどのように
映るのでしょうか? その魅力をベトナムで発信してもらい、相互交流と相互理解を深めて
いければと思います。

カントー市はどことなく素朴で時間がゆっくり流れているように感じられます。ホーチミン市の
喧騒とはまた違うベトナムの一面を感じることができるでしょう。日本の地方圏で育った
方たちは、なんとなく懐かしさも感じるのではないでしょうか。来年はこの地にさらに多くの
日本の地方圏の魅力を伝えたいと思っています。