• シニア
  • ブログ

「インターン」がシニアが主役の時代のトリガーになる!?

先日、昨年の封切から話題となっていたアン・ハサウェイ主演の
マイ・インターン」をDVDで観た。
実は、年明けに発刊した拙著
もし波平が77歳だったら?」にもこの作品を紹介している。
1_1_20160307 私が紹介した理由はシニアと若者がビジネスの
さまざまな場面でつながり、連携したり交流すれば、
お互いがさらに刺激しあえるのは間違いないと考えているからだ。
この作品は、まさにシニアと若者の交流の
可能性を感じることができる。
30~40も年が離れた者同士が接点を持てば、
お互いに気づきがあり、創造力が豊かになり、
学びがあると思っている。
仮に働くということに絞ったとしても、
お互いのスキルアップにつながったり、
仕事を進める上でのバランスが保てるのではないだろうか。

実際、当社のビジネスの主戦場でもあるアジアは
日本の昔と環境が似通っている。
このような場面では、若者よりもシニアの方が間違いなく
ローカルへの適応は速い。
相手の国の人たちからの信頼も得やすい。
書籍にも、すでにアジアで活躍しているシニア数名を紹介している。
これが、私の提唱している「アジアでもう一花咲かせましょう」の
原点でもある。

シニアがアジアでこの10~15年頑張って
アジアと日本の協業ビジネスの基盤を構築していく。
しかし、その後を誰が引き継ぐかということも
すでに大きな課題となっている。
先進国に浸かりきった今の若者では、
すぐにアジアで活躍できる人は少ないのではないか。
そこで、シニアと若者がペアになって、
お互いの弱点を補完しながら、アジアの現場に適応していく。
こんな次の展開がすぐ先にあるのではと思っているのである。
だから、書籍でも紹介したわけだ。

もし波平が77歳だったら?」の発刊後に、
シニアの方や経営者の方からの反響でさまざまな学びがあった。
一度、反響を整理しようと思い、
ふと、「マイ・インターン」をもう一度観たくなった。
改めて落ち着いて、この映画の意味や示唆や価値を
深く意識して鑑賞してみると実に色んな考察ができた。
まだ、ご覧になられていない方のために、
私が勝手に映画のあらすじを紹介したい。

才能ある若き女性創業経営者ジュールズが主人公。
彼女の手掛けるビジネスモデルはアパレルの世界で
ICTを活用したまさに“現代風”のビジネス。
舞台が米国と言えばそれまでだが、
シニアとICTのコントラストは今の時代に欠かせないものだ。
会社は創業わずかで瞬く間に急成長。
人事の問題やクレームの頻発。
とことんまで全社員が働くさまなど、リアリティは満載であり、
今のベンチャービジネスの実態を感じさせてくれる。
メールも日常で多用されており、これも現代にフィットした設定だ。

ある日、シニアインターンを会社が採用した。
その中のひとりがロバート・デ・ニーロ演じる70歳のベンである。
役割は社長のアシスタント。
当初はシニアに対しての苦手意識から社長のジュールズは
ベンのことを少し遠ざけていた。
しかし、社長として忙殺される日常の中、
ビジネスや家庭においては苦難が襲いかかる。
そんなとき、人生経験豊富で、人としての温かみのあるベンの言動に、
ジュールズは次第に癒されていく。
そして企業経営の良きパートナー、
そして人生の友人としての絆が築かれていくのである。
出会った当初は、40歳以上の年の差の中、
苦手意識ばかりだったが、ベンと過ごすさまざまなシーンの中で、
シニアの価値をジュールズが実感として気づいていく。

この作品には、シニア社会の切実な現状を実感するリアリティ感が
凝縮されていると私は思う。
ベンは新しい職場で恋もする。
社員の福利厚生でマッサージなど健康管理を担当する女性との
恋愛はとても上品に自然体で描かれている。
そして、随所にシニアと若者が交流するシーンがあり、
若者がシニアの豊富な経験や大胆さに次第に惹かれていく。
今の若い世代が失ってしまったものを
シニアに触れることで気づくことができ、
そして、知恵や作法などの伝承が進むといった示唆も含まれている。

特に印象的なシーンがいくつかあるが、
ひとつは、ジュールズがベンの机のそばに来たら、
必ずビシッとした姿勢で立ち上がり、話を聞く場面。
マナーや立ち居振る舞いが本当に紳士である。
また、Facebook登録に四苦八苦するベンを
ジュールズが手伝ってあげる場面。
自然と日常のたわいもない会話が生まれる。
こういう場面は、まさしくアナログと
ICTのバランスを伝えたいのだと私は思う。
シニアはアナログの世界が舞台である。
若者はICTの世界が主戦場。
シニアが増殖するICT環境でアナログ的に快適に過ごすには、
若者のサポートは不可欠だろう。
逆にICTに偏りすぎている若者に
アナログ力の魅力を伝えるのはシニアの役割だ。
ある場面では、ジュールズがいまどきの
草食系の若いインターンの男性に酔っぱらいながら叱咤する。
そして、ベンのような男になりなさいと話をする場面は、
日本もアメリカも本質的に同じなのか、と感心させられた。

家庭を持つジュールズは、イクメンの専業主夫に支えられながら、
昼夜を問わず会社の急成長に邁進する。
企業の安定的な更なる発展と家庭の時間の確保の
バランスを取るために、一度は自分の上司になるCEOを
受け入れる決心をする場面などは、
男女限らず経営者の葛藤が凝縮されている。
ビジネス経験豊かなベンのアドバイスが的確で、
思わず経営者として同感してしまう台詞も多い。
どんなビジネスでも創業者が作り上げた
企業文化や強みの継承はとても難しい。
どんなに優秀なCEOとて簡単には成功に辿りつけないだろう。
また、女性ゆえのガラスの天井に葛藤する姿も盛り込まれている。
寿司を夜食に食べる場面があったり、
なぜかジュールズが日本語を使ったり、
洋画でありながら、
日本人に見せるために作ったような気がしてしまう。
超高齢社会の日本にはピッタリのストーリーだと改めて実感する。

しばらくして、さらにもう一度、この作品を観てみたい。
そして、シニアのこともよく分かったうえで、
この映画の示唆するテーマをもっと掘り下げて考えてみようと思う。
個人的には皆に勧めたい作品のひとつだ。
特にシニア自身にとっても価値がある映画ではないだろうか。

才能や経験がありながら、
上から目線で常に話をする人、女性を常に下に見ている人、
ICTに苦手意識がある人、若者と接するのが苦手な人など、
40歳以上も年下でしかも女性に仕えるシニアの設定は、
シニアの落とし穴のすべてを凝縮している。
シニアが今の社会にどうやって受け入れられるか、
どうすれば存在感を発揮して再び輝けるか、
シニアにとっても羅針盤のひとつになる作品だろう。

3月17日のシニアセミナーでは、
この映画を見て感じたこともあわせて、
話をしてみようと思っている。
どんな反響があるか楽しみでもある。
そして、当社でもこの映画のような組み合わせで、
ビジネスの機会を創造していこうと改めて強く思う。

2_1_20160307 2_2_20160307

2_4_20160307 2_3_20160307

2_5_20160307 2_6_20160307

—–