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壁に耳あり障子に目あり

「壁に耳あり障子に目あり」とは、
秘密はどこから漏れるかわからないぞと注意を促すことわざです。木造家屋だった時代の日本では、密談するにしても、
完全な防音ができている場所がなかったのでしょう。

いまや、会社の会議室や、自宅の個室からトイレに至るまで、
かなりの防音ができている場所が当たり前のように存在します。

集まった人たちだけでとどめておきたい話をしていて、
壁や窓からその話が筒抜けであるなどと
思って生活していません。
会社なら機密情報が、個人ならプライバシーが相当守られた状態です。

江戸時代の武家屋敷の密談などは、簡単に漏れていそうだし、
長屋での会話など筒抜けであったに違いありません。
だからこそのこのことわざなのです。

建物のコンクリート化、部屋の密閉化により、
外部へ会話が洩れることを気にする必要がなくなりました。
さしずめ、気密化が機密化を進めたというところです。

秘密は守られた状態ではありますが、
現代人はその状態に慣れきってしまっています。
壁に耳あり障子に目ありのことわざは、障子自体の減少に応じて、
死語か、昔話のように扱われてしまっています。

このことわざは、情報セキュリティ時代にこそ、注目されるべきものです。
周囲に、情報が漏れるかもしれないという緊迫感が伝わってきます。

建物がコンクリート化されたことにより、
情報が周囲に漏れるかもしれないという危機感が薄くなっています。
最近でこそ、減ってはきましたが、
オフィスビルにいくと、テナントとしてはいっている会社の社員が、
本来なら社内ですべき営業会議の続きを、
エレベーター内でしている、ということがありました。
1日エレベーターに乗っていたら、この会社の秘密は
だいたいわかってしまうのではないだろうかと思わせます。

最近は、エレベーター内はお静かに、という掲示や、
社員教育がなされているようで、耳にする機会は減ってはきました。

なにせ、秘密にしたいことが漏れるということへの関心が低い、脇が甘いように思います。

会社の、というと仕事の義務のように思う方もいるでしょうから、
個人の、プライベートの、話をしましょう。

会社の同僚や友人には知られたくない秘密の趣味仲間とのやりとり
家族にも聞かれたくないような友人との秘密の会話
仲間内でしか共有できない秘密の写真
恋人に見られたらまずい秘密のメール
配偶者に知られたら人生が崩壊するような秘密のLINE

世に秘め事といいますが、誰しも心当たりのあることではないでしょうか。
程度の差はあれ、人に知られたくないことはあります。

コンクリート密閉の部屋だから大丈夫と思っていないか。

メール、スマホが大丈夫だと思っていないか。

その秘密が漏れたらどういう被害、結果になるのでしょうか。
万一、漏れたらから組み立てるのが、情報セキュリティ対策です。

では、個人の秘密が漏れないようにどうしたらよいのか。

会社のセキュリティポリシーに、
大事なデータはノートパソコンにいれない、とか、
個人情報を持ち出すときには暗号化すること、とか、
USBメモリは利用禁止、とか、
いろいろルールがあるわけでが、
プライベートの情報管理にも、十分利用できます。

やり方はいろいろありますが、まずは、漏れたらまずい、を認識することです。
絶対もれないということはないですから。

現代版に言い換えれば、
Wi-Fiに耳ありスマホに目あり
です。

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